男性がやるべき妊活!
2024年 7月 24日
男性も妊活をする必要ってあるの?
赤ちゃんは生まれるまで、女性のお腹の中で育ちます。ですから妊活といえば「女性が率先してすべきもの」というイメージをお持ちの男性も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。WHOは不妊カップルの約半数において、不妊の原因は男性にあると報告しています。妊活は男女共に行う必要があることが分かりますね。
精子の質は心理的なストレスと肉体的なストレスの両方に影響を受けます。日々の悪い生活習慣が男性の生殖機能低下に繋がってしまうこともあるのです。
男性の妊活 何をするべき?
男性の妊活は何をすれば良いのかをご紹介します。
栄養バランスを考えた食事
偏った栄養バランスの食事は、精子の質を下げる一因です。栄養状態が改善すれば、精子の状態が改善すると言われています。
妊活中の男性におすすめしたい栄養素は以下のものです。
・亜鉛
・ビタミンE
・ビタミンC
亜鉛は前立腺や精巣に多く存在しており、亜鉛不足は精子を作り出す精巣に影響を与える可能性があるため、積極的に補給したい栄養素です。
ビタミンE、Cはどちらも抗酸化作用が期待できます。精子は酸化ストレスに弱く、ストレスにさらされると妊娠力を弱める恐れがあるので、こちらも積極的に摂ってみましょう。
ただしビタミンEは脂溶性ビタミンのため、摂り過ぎは過剰症になってしまう恐れがあります。また亜鉛の摂り過ぎも過剰症を引き起こす恐れがあるので注意してください。サプリメントを利用するのも良いですが、まずは食事でこれらの栄養素を摂るよう心がけましょう。
喫煙、飲酒は控える
喫煙は精子の数を減少させたり、精子が傷ついてしまう原因と言われています。多量の飲酒もまた、精子に影響を与えると言われています。体内でアルコールを代謝する際に出される酸化物質が、精子に影響を与えてしまうからです。
多量のアルコール摂取は、男性ホルモンであるテストステロンの分泌を低下させる可能性もあると言われています。
時々たしなむ程度であれば問題ありませんが、飲みすぎは注意です。
精巣を温めすぎない
実は精子は熱に弱いため、精巣を温めすぎると、精子の質を下げる恐れがあります。以下の行動は控えましょう。きつすぎる下着やパンツは避ける
男性器付近の血流を圧迫すると、精巣機能に影響がある恐れがあります。以下の行動を頻繁に行っていないか確認しましょう。
・熱すぎるお風呂やサウナの利用
・ノートPCを膝の上に長時間乗せての作業
きつすぎる下着やパンツは避ける
男性器付近の血流を圧迫すると、精巣機能に影響がある恐れがあります。以下の行動を頻繁に行っていないか確認しましょう。
・タイトな下着やジーンズなどの着用
・自転車での長距離移動
運動をする
運動不足は精子の数を減らすという数々の研究報告があります。しかし、いきなりの激しい運動は怪我の原因です。筋トレや軽いウォーキングなど、続けやすいものから始めましょう。
定期的な射精
射精されず溜まった精子は、質が低下してしまいます。妊娠の確率を上げるために、定期的に射精をして元気な精子を準備するのが良いですね。
ストレスを感じすぎないよう、リラックスできる環境を
ストレスのかかり過ぎは、テストステロンの分泌や精子の生成を低下させたり、性欲を下げたりする原因です。排卵日を意識し過ぎて、うまく性行為ができないことも起こりうります。
妊活は、男女で取り組む内容が異なる場合があります。けれど生活習慣や食事を整えることは、男女ともに妊活の基礎となる部分です。2人でしっかり話し合いながら、体と心の基礎づくりを目指してください。
パートナーとの対話は、妊活中はもちろんのことお子さんが無事に生まれた後も、とても重要なコミュニケーションです。決して「どちらか一方だけが大変な思いをしている」という感情が湧かないように、ゆっくり話し合う時間を作れると良いですね。
2人のコミュニケーションが上手く取れていれば、日常が自然と心地の良いものになっていくでしょう。
おわりに
今回は男性にスポットライトを当てた妊活についてお伝えしました。
日常の意外な場所に、精子の質を下げる落とし穴があったかもしれません。生活を整え、過ごしやすい環境作りを始めてみませんか。
監修者プロフィール
髙嶋啓一 (Takashima Keiichi) 先生
産婦人科専門医
大阪教育大学附属高校から1年同志社大学を経て奈良県立医大卒業。産婦人科専門医。健康に良いことが大好きで、大学時代は西日本医科学生総合体育大会で個人1位。一時期、心の健康を専門にすることも考えるが、生命の誕生、妊娠、出産、育児の喜びに優るものはないと産婦人科医になる。