妊娠に必要な栄養素とは?サプリは必要?
2024年 7月 25日
妊活というと、「規則正しい生活をしたり食事に気をつけたりして妊娠しやすい体を作る」というイメージがあります。それは間違ってはいません。しかし「妊活するならばお酒やコーヒーなどは一切ダメ」「サプリなどを必ず飲まなければならない」といった情報もあり、「妊活をしたいけれどストレスがたまりそう」と尻込みをしている方もいるでしょう。
今回は、妊娠に必要な栄養素と摂取が必要な理由、男性にも栄養管理は必要?という皆様の疑問を一気に解消すべく、妊娠に必要な栄養素について解説します。
目次
- 妊娠をするためには体造りが大切
- 妊活中に意識して摂取したい栄養素
- サプリは必要な栄養素を補うために用いる
- 男性も食生活を見直そう
- 男性もサプリを飲もう
妊娠をするためには体造りが大切
妊娠するためには、母体が健康でなければなりません。
健康でいるためには十分な栄養を摂ることが大切ですが、必要な栄養素をすべてまんべんなく摂れている、という方は僅かです。特に、20代~30代の女性は見た目を気にして食事量を控える方も珍しくありません。もちろん食べ過ぎは肥満の原因となるので良くないですが、ある程度の食事量は常に保つようにしましょう。
妊娠は新たなる命を体の中で育てる大仕事です。妊娠中はもちろんのこと、妊娠前も必要な栄養素をしっかり取って丈夫な体を作らなくてはなりません。ですから、妊活中も食生活が重要視されます。
妊活中に意識して摂取したい栄養素
妊活中に意識して取りたい栄養素は以下の通りです。
これらの栄養素は一汁三菜の食事を摂ることで一定量摂取できるので、妊活中は意識して規則正しい生活をして、バランスの取れた食事を一日三食摂ることを心がけましょう。
タンパク質は肉類や豆類、鉄はレバーや赤身肉、カルシウムは乳製品や海藻・大豆製品に多く含まれています。また、ビタミンAはレバー等の動物性食品、ビタミンEはアーモンドや卵に豊富に含まれています。ビタミンB群は様々な食品に含まれているため、各栄養を十分に摂るためには肉・魚・野菜などを満遍なく食べることが重要です。
サプリは必要な栄養素を補うために用いる
食事で必要な栄養素が全て取れればいいのですが、ビタミン、ミネラル類は食事で全て賄うのは中々難しいものです。
そこで、サプリメントを活用しましょう。
ビタミン類・鉄・亜鉛などをサプリで摂取できればお手軽です。
なお、妊活のサプリといえば「葉酸」というイメージがあります。
葉酸は、ほうれん草から発見されたビタミンB群の一種です。DNAの合成を促進し、細胞が作られるのを助ける働きがあるため、赤ちゃんが健康な体を胎内で作るために役立ちます。
そのため、妊活中から摂取する人が多いのですが、「葉酸を飲めば妊娠できる」というわけではありません。あくまでも健康な体造りに役立つ栄養素の1つです。
男性も食生活を見直そう
妊活は女性がするものというイメージがありますが、妊活は男女両方で行なうものです。いくら女性が体を整えて妊娠しやすいようにしても、男性が不健康では意味がありません。妊活における男性の役割は、「正常な性交ができるように体を健康的に保つ」ことと、「健康な精子を射精できるようにすること」です。不妊の原因の半分は男性側にあるとも言われているように、男性が不摂生な生活をしていれば妊活は上手くいきづらくなってしまいます。
そして、2017年の国民健康・栄養調査の結果では、成人男性の野菜類摂取量(平均値)は、295.4gで、年齢別ではどの年代でも推奨量の350gには達していないことが分かっています。野菜不足はビタミン・ミネラル不足を招くので、野菜をできる限り食事の中に取り入れることが大切となります。
ビタミンやミネラルが不足すれば、正常な精子が作られないだけでなく、勃起障害(ED)の原因にもなります。
ですが、いくら意識して野菜を食べても、一日350gの野菜を毎日食べるのは難しいですよね。そこで、手軽に栄養補給ができるサプリメントを活用しましょう。
男性もサプリを飲もう
妊活中に男性が必要な栄養素は女性とほぼ同じです。その中でも、特に亜鉛は前立腺や精巣に高濃度に含まれており、不足すると精子が少なくなったり奇形率が増したりします。亜鉛が含まれている食物には、牡蠣・豚レバー・牛肉赤身などがあります。
特に牡蠣は4個食べれば11mgもの亜鉛が取れる優れた食品ですが、季節によっては食べられないこともあるでしょう。ですから、不足しがちな栄養素はサプリで補うのがおすすめです。
体の改造は時間をかけて行なおう
今回は妊活に必要な栄養素とサプリ摂取がおすすめの理由を紹介しました。しかし、サプリを飲んだからといって一朝一夕で体が妊娠できるように整うわけではありません。最低でも3か月は時間をかけましょう。そのため、妊活はできれば20代~30代前半の早めの時期に行なうのが理想です。体の状態をしっかりと整えて、自分のペースで妊活に取り組んでいきましょう。
監修者プロフィール
髙嶋啓一 (Takashima Keiichi) 先生
産婦人科専門医
大阪教育大学附属高校から1年同志社大学を経て奈良県立医大卒業。産婦人科専門医。健康に良いことが大好きで、大学時代は西日本医科学生総合体育大会で個人1位。一時期、心の健康を専門にすることも考えるが、生命の誕生、妊娠、出産、育児の喜びに優るものはないと産婦人科医になる。