話題の卵子凍結っていったい何?
2024年 7月 24日
女性の社会進出や晩婚化が進行しているという社会背景を受けて、「今は妊娠を望まないけれど、将来的に妊娠を希望したときに備えて、若い頃の卵子を凍結保存させておく」というケースが多く見られるようになってきました。今回は話題の卵子凍結について、内容やリスクについて詳しくご紹介します。
目次
・卵子凍結とは
・卵子凍結のプロセス
・卵子凍結の目的
・卵子凍結の妊娠率
・卵子凍結のリスク
・卵子凍結は将来の妊娠可能性を高める手段
卵子凍結とは
卵子凍結とは、女性の卵巣から採卵した卵子を凍結させて保存することです。加齢などの要因により生殖能力が低下をきたす前に卵子を凍結し(社会的適応)、妊娠する力を保ちながら、将来の妊娠・出産のために準備を行うことができます。
卵子を採取する時の年齢に関しては、40歳以上は推奨されない、凍結保存した卵子の使用年齢に関して45歳以上は推奨されないと記載されています。
いつかは子どもが欲しいけれど、今は妊娠を望まないという女性にとって、卵子凍結は女性活躍と妊活の両立を目指せる画期的な方法のうちの一つです。
卵子凍結のプロセス
次に、具体的に卵子凍結のプロセスについてご紹介します。
卵子凍結の目的
生殖器官の機能や卵子の質は加齢に伴って低下していきます。そのため、妊娠を希望した際にはすでに身体が生殖機能のピークを過ぎてしまい妊娠しにくい状態になってしまっているということもありえます。
また、卵子の質の低下は妊娠率の低下だけでなく、流産・染色体異常、赤ちゃんの先天性疾患の可能性を高めます。これらを避けるため、早いうちに質の良い卵子を凍結保存させておくのが卵子凍結の目的です。
卵子凍結の妊娠率
卵子凍結後、その卵子を使って妊娠・出産に至る確率については、正確なデータはありません。凍結保存している人はいますが、融解して使っている人は、まだ少ないためです。
クリニックによって、妊娠率を出しているところもありますので、希望する方は調べてみましょう。
卵子凍結のリスク
女性活躍と妊活を両立する方法として魅力的な卵子凍結ですが、次のようなリスクもあります。
採卵時の痛み
採卵時は、超音波機器を使用しながら、採卵針で直接卵巣にアプローチして卵子を採取します。そのため、採卵時には痛みや出血を伴うこともあります。
また、針を刺すことで炎症が起きたり、卵巣過剰刺激症候群を引き起こしたりする可能性もあります。
凍結による質の低下
卵子は受精卵に比べて水分量が多く、融解時の卵子の質の低下に繋がります。卵子の質の低下はその後の受精や受精卵の発育に悪影響を及ぼします。しかし、その分卵子を複数冷凍保存しておくことで、リスクを少なくすることができます。
コストがかかる
卵子凍結の採卵にかかる費用相場は、約20〜50万円です。また、採卵には痛みを伴うため、麻酔を希望することもできます。この場合の麻酔にかかる費用相場は5万円程度です。
他にも、卵子凍結をするための容器が1本5万5,000円程度、卵子の凍結延長費用も2年目以降は容器1本につき年間2〜3万円程度かかります。
これらの費用はクリニックによって異なるため、クリニックのサイトで料金を確認してみてください。
高齢出産のリスク
卵子凍結はあくまでも若い時に採卵した卵子を保存する方法であって、高齢出産のリスクを下げる手段ではありません。胚移植する卵子が若くても、実際に妊娠や出産を経験するのは、その時の自分の身体になります。
一般的な高齢出産のリスクは考慮しておかなければいけません。例えば妊娠高血圧症候群や帝王切開になりやすいこと、また流産や早産になりやすいことなどです。
卵子凍結は将来の妊娠可能性を高める手段
卵子の数は年齢を重ねるにつれて減少し、老化していくため、早い段階で卵子凍結を行うのが理想的です。
採卵と保存期間には、それぞれ年齢制限があります。将来の妊娠・出産に備えるため、卵子凍結を視野に入れてみてはいかがでしょうか。