乳幼児にと家庭でできるケア
2025年 2月 2日

乳幼児期は免疫力がまだ完全ではないため、さまざまな病気にかかりやすい時期です。お子さんが病気になったとき、どんな症状が出るのかやどう対応すれば良いのかを知っておくと、心配な気持ちを少しでも和らげることができます。今回の記事では乳幼児に多い疾患について、わかりやすく解説していきます!
発熱
発熱は、赤ちゃんの体がウイルスや細菌と戦っているサインです。体は熱を上げて自らを守ろうとします。発熱の症状は、風邪やインフルエンザなど様々な病気でみられます。
家庭で気をつけること
- 部屋の温度は20–25℃、湿度は50-60%程度を保つと快適です。
- 消化に良い食べ物や水分をこまめに与えましょう。
- 生後3ヶ月未満の38度以上の高熱が見られる場合は、他の症状が目立たなくても重症である可能性があるため、医療機関にかかりましょう。
- 赤ちゃんの平熱は個人差があるため、普段から体温を測り、平熱を把握しておくことが大切です。
せき
せきは異物を体の外に出そうとして起こります。風邪が原因の場合が多いですが、ゼーゼーという音が聞こえる、呼吸のたびに肩が上下に動く、呼吸の回数が多く荒い呼吸、小鼻がピクピク動くといった症状があれば、喘息や肺炎の可能性もあります。早めに医師に診てもらいましょう。こういった症状がなくても咳が2週間以上続く場合は医療機関を受診しましょう。
家庭で気をつけること
- 部屋の温度や湿度を発熱時と同じように(温度は20–25℃、湿度は50-60%程度)保ちます。
- 気道の乾燥を防ぐために、しっかり水分補給を行ってください。
- 異物をのどに詰まらせた場合は、すぐに対応が必要です。赤ちゃんが激しくせき込むときには、必要に応じて病院に連絡してください。
嘔吐
赤ちゃんは胃や食道がまだ未発達なため、ミルクを吐くことがあります。吐いた回数や量が少なく、元気であれば心配しすぎる必要はありません。授乳後に噴水のように吐くことが数日続く、下痢など他の症状がある、嘔吐が続くなどのときは受診しましょう。
家庭で気をつけること
- 吐いた直後は無理に食べ物やミルクを与えず、1時間程度安静にさせましょう。
- 水分補給は経口補水液がおすすめです。経口補水液は薬局で買うことができます。
- 吐いてから1時間程度は何も与えず様子を見ます。吐かなければ、湯冷ましや麦茶、経口補水液などを10~15分おきに与え、さらに吐かなければ徐々に量を増やしてください。
- 吐いた時は離乳食はお休みして、様子を見ながら与えてください。吐き気が治まり食欲が回復してきたら、消化がいい炭水化物や野菜類など、赤ちゃんが食べられるものを少しずつ与えましょう。
- 嘔吐が続いてぐったりしている場合は、すぐに小児科を受診しましょう。
- 吐いたものを確認しましょう。緑色の場合は、医療機関を受診しましょう。

下痢
赤ちゃんの便は回数や状態が様々ですが、水のようにサラサラした便や白っぽい便、糊のような黒っぽい便、血液や膿が混じった便は注意が必要です。悪臭が強い場合も、医師に診てもらいましょう。
家庭で気をつけること
- 母乳はそのまま与えて大丈夫です。
- 離乳食を与えている場合は一時的に中断し、消化の良いものを少しずつ食べさせるようにしましょう。
- おむつ替え時には手袋とマスクを使用し、手洗いをよく行って感染対策を行いましょう。
- おしりがかぶれないようにこまめに洗いましょう。
- 脱水症状になりやすいため、水分補給をこまめに行うことが重要です。
発疹
発疹は、ウイルス感染やアレルギー、皮膚のトラブルが原因で起こることがあります。特に発熱や嘔吐の症状も出ている場合は、早めに医師に相談しましょう。
家庭で気をつけること
- 赤ちゃんの皮膚を清潔に保って、入浴後は保湿クリームや軟膏を使用してください。
- 柔らかく吸湿性や通気性にすぐれた綿素材の肌着を選び、肌への刺激を最小限にしましょう。
- 湿疹が広がったりかゆみがひどかったりする場合は、医師に相談しましょう。
まとめ
赤ちゃんの体調が悪いと心配になりますが、適切なケアと早めの相談で多くの問題は乗り越えられます!何か気になることがあれば無理をせず、医師に相談してくださいね。
[監修]産業看護師・更年期指導士 早川 里実 先生
様々な医療現場で看護師として従事し、早期からのヘルスケアの重要性を痛感。現在は、性差による健康課題に焦点を当て、セミナーを通して啓発活動を行っている。