デリケートゾーンがかゆい時はどうする?
2024年 7月 13日
女性の陰部は、大陰唇、小陰唇等といった複数の部位からなり複雑な構造でもあることから、他人には相談しづらい様々なトラブルを抱えがちです。中でも陰部のかゆみは、発生頻度の高い悩みだといえるでしょう。
陰部のかゆみの原因
陰部のかゆみの原因は大きくは2つに分けられます。
かぶれ
日常生活でおこりがちなかぶれ。生理中のナプキンやタンポンの紐、おりものシートなどによる陰部への接触や経血による蒸れが重なると、かぶれが生じることがあります。
感染症
細菌やウイルス、真菌(カビ)などの病原体への感染による感染症。こちらは放置することで悪化する可能性があるだけでなく、自然治癒が不可能なものも多いです。
感染症の種類
陰部のかゆみの原因となる感染症について、代表的なものは以下の通りです。
腟カンジダ症
カビの一種であるカンジダが腟内で異常増殖する病気です。カンジダは腟内の常在菌ですが、免疫力の低下などで異常増殖します。
膣トリコモナス症
膣トリコモナスという単細胞の微生物による感染症です。女性では悪臭のあるおりものを伴うこともあります。
性器クラミジア
クラミジア・トラコマティスという細菌による感染症です。感染後放置することで子宮頸管炎などのリスクも高まります。
性器ヘルペス
単純ヘルペスというウイルスによる感染症です。感染後は神経の中で生き続け、免疫力の低下などで再発します。強い痛みやただれを伴うことも珍しくありません。
陰部のかゆみに対する予防法
陰部はとってもデリケートなパーツですが、不衛生になりやすい環境にあります。まずはかゆみを予防するためにも以下のケアを意識してみてください。
1.常に清潔に保つ
陰部はデリケートゾーン用の洗浄剤で洗うか、ぬるま湯でさっと洗います。デリケート用の洗浄剤を使用するときはよく泡立て、優しく陰部をなでるように洗います。ただし、石鹸で洗いすぎたり、トイレのたびに洗浄機を使用している方は要注意です。過剰な洗浄は必要な常在菌まで落としてしまい、かえって不衛生になる可能性もあります。
2.汗を吸収しやすい下着を身に着ける
下着は綿やシルクなど、汗を吸収しやすい素材の下着を着用し、陰部の蒸れを回避しましょう。陰部は通気性が悪く、汗や分泌物により蒸れやすいパーツです。蒸れは陰部への刺激になり、かゆみを誘発します。
3.生理用品はこまめに取り換える
ナプキンは自分に合った物を使用し、こまめに取り換えるようにしましょう。月経血にはさまざまな雑菌が含まれるうえに、生理用品によって通気性が悪いため、長時間の使用は陰部を不衛生にします。特にタンポンの使用は2時間を目途に交換するようにしましょう。なお、ナプキンの素材はドライメッシュを避けた方が無難です。
かゆみへの対処法
かゆみがあるときは、肌は刺激に敏感になっている状態です。トイレットペーパーは柔らかいものを使用し、陰部への刺激を和らげましょう。また症状が悪化し、生理中にナプキンも使用できない場合は、ナプキンの中央にゲンタシン軟膏や、ワセリンを塗って刺激を和らげるのもおすすめです。
長時間様子をみてもかゆみが治まらない場合は、病気の可能性もあります。そのまま放置せず、症状に合わせた診療科を受診しましょう。