熱が出たときに疑うべきポイントや対処法は?
2024年 7月 7日
発熱とは、脳の体温調節中枢が異常を起こし、体温が平熱より高くなった状態のことです。発熱だけで原因を特定することは難しいですが、発熱に伴う症状から原因を推測することができます。
主に呼吸器系の症状を伴うもの
咳や痰、のどの痛みなどの呼吸器症状のほか、全身の痛みや消化器系の症状も伴うなら、インフルエンザの可能性があります。
インフルエンザやかぜが悪化すると、呼吸困難、胸痛、チアノーゼ(唇、爪などが紫色になること)なども現れ、急性気管支炎や急性肺炎などが発症します。また、肺がんも一般に微熱が出ることがあり、稀に高熱が出ることもあります。
主に中枢神経系の症状を伴うもの
高熱とともに激しい頭痛や意識障害、けいれん、めまいなどを伴うなら、髄膜炎や脳炎などが疑われます。髄膜炎では首が板のように硬くなって、前に曲がらなくなる項部硬直という症状が起こる場合が多いです。
主に消化器系の症状を伴うもの
発熱と同時に右上腹部が痛むならA型急性肝炎や胆石症などの肝臓・胆嚢(たんのう)の病気、右下腹部痛なら急性虫垂炎などが考えられます。
A型急性肝炎は、A型肝炎ウイルスが食べ物や飲み水を介して体内に侵入する経口感染によって発症し、まれに劇症肝炎と呼ばれる悪化した状態になることがあります。
主に尿路系の症状を伴うもの
排尿痛や頻尿があり、腰痛なども見られる場合は急性腎盂腎炎、咽頭炎などの上気道感染症への感染から1~2週間後に発熱が起こることがあります。また、血尿やむくみが出るなら急性糸球体腎炎の可能性があります。
その他
女性に多い関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病でも高熱が出ることがあります。また、サルモネラなどの細菌性の食中毒にかかると、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れ、時に高熱になります。
自身が感染症にかかったときは、周囲の人に感染を拡げないための対処が必要です。そのためには、以下の対策が有効です。
発熱したらどうする?
2020年初頭より発生したコロナ禍により、発熱したら熱の原因を確かめ、解熱するまで安静にすることが徹底されました。 どんな原因の発熱でも、安静にしてたっぷり睡眠をとることが基本となります。 しかし、「早く熱を下げたい」という場合もあるでしょう。
そのような場合は、体をよく温めて水分を補給し、体を温めるショウガやネギ、免疫力を高めるビタミンCを含む食品を多くとることが良いとされています! 水分は常温や、やや温かめのものを選び、冷たすぎるものは避けたほうが良いでしょう。
また、体を温める食材として有名なショウガ・ネギを取ると、体が温まるだけでなく抗菌作用や発汗作用も期待できます。 これらの食材をおいしく摂取するためにはしょうが湯、ネギ入り雑炊、ショウガとねぎを入れたうどんなどがおすすめです。
ビタミンCはレモンやミカンなど柑橘類で取ると、さっぱりしていてのど通しもよく、風邪のときも食べやすいです。
また、発熱がしんどい場合には市販の解熱剤を使用してもいいでしょう。 後はゆっくりと体を休めることが大切です。
なお、この方法は発熱の原因が分かり、医師から「安静にして休んでください」と指示があった場合に有効な方法です。 熱の原因が分からない場合、やみくもに熱を下げると症状が悪化することもあるので気を付けましょう。