なぜ男性は育休をとりづらいのか、原因と対策を解説!|Flora株式会社

2025年 1月 22日

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なぜ男性は育休をとりづらいのか、原因と対策を解説!

皆さんこんにちは、ウェルビーイング推進室の齊藤です!私は、企業が従業員の健康支援を通じて生産性向上や離職防止を目指す「健康経営」をサポートしています。特に、男性社員の育児休暇(以下:育休)のとりづらさは、原因が複雑でなかなか解決しづらい課題です。

この記事では、男性社員が育休をとりづらいと感じてしまう原因を明らかにし、男性育休取得率向上のために企業が取るべき対策を解説します。そして、企業の健康経営を支援するサービスを提供するFloraのソリューションについてもご紹介します。Floraのサービスは男性社員向けの内容も大変充実していますので、ぜひチェックしてみてください!


男性が育休をとりづらいと感じてしまうのはなぜ?主な理由3つ

まずは厚生労働省が実施した令和4年度「仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業」より、「男性(正社員・職員)」の育休を取得しなかった理由トップ3を見てみましょう。(※複数回答)

・第1位「収入を減らしたくなかったから」(回答割合: 39.9%)

・第2位「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、または会社や上司、職場の育児休業取得への理解がなかったから」(22.5%)

・第3位「自分にしかできない仕事や担当している仕事があったから」(22.0%)

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これらの経済的・環境的要因の背景を、詳しく見ていきます。

【給与所得の不安】収入を減らしたくないことが原因

「収入を減らしたくなかったから」と答えた男性(正社員・職員)の割合は、女性(正社員・職員)よりも5.9%多い結果となりました。よって、男性は女性よりも育休の取得による収入の減少に敏感であることが伺えます。

しかし、育児休業中は雇用保険から給付金が支給され、社会保険料の支払いも免除されるため、収入の目減りは1~2割程度に抑えることが可能です。また、育児休業を取得したことを理由として賃金を下げることは不利益取扱いに該当します。そのため、これらの制度の詳細についてしっかり把握していれば、育休による収入減少の不安を和らげられるかもしれません。

【人事評価の不安】職場の雰囲気や自分の担当する仕事が原因

「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、または会社や上司、職場の育児休業取得への理解がなかったから」と答えた男性(正社員・職員)の割合は、女性(正社員・職員)よりも9.7%多く、男女差が顕著に出た項目となりました。この要因として、「男性の育休制度に関する情報感度の低さ」が考えられます。

ここで例として挙げられるのは、「『産後パパ育休』の認知度の差」です。「産後パパ育休」と呼ばれる制度は、育児・介護休業法の改正に伴い、2022年10月より施行されました。これは通常の育児休業と併用して取得することも可能であり、子供が生まれてから8週間以内に、父親が最大4週間の育休を取得できる制度です。そしてこの制度の認知度は、男性が35.7%、女性が61.0%でした。

したがって、育休に関する情報の理解度の乖離を埋めることが、「男性が育休をとりづらい雰囲気」の改善につながっていくかもしれません。

男性の育休取得率の現状は?育休を取得したい男性社員は多い!

男性の育休取得率の現状について、最新のデータをチェックしていきましょう。

令和4年度の男性の育休取得率は17.13%、女性は80.2%

厚生労働省が実施した雇用均等基本調査によると、令和4年度の育児休業取得率は女性が80.2%(前年比4.9%減)なのに対し男性は17.13%(前年比3.16%増)でした。男性の育休取得率は平成27年ごろから上昇傾向にありますが、依然として女性とは63.07%の差があることがわかります。

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また、育休の期間についても、男性と女性の間で大きな差があるのが現状です。令和3年度の同調査によると、男性の育休取得期間(育休後復職した人に限る)は、「2週間未満」が51.5%、そのうち25.0%は「5日未満」でした。対して、女性は「10ヶ月〜18ヶ月未満」が64.0%を占めています。

つまり、「男性の育休取得率は上昇傾向にある」と言えるものの、その期間は「2週間未満」の男性が過半数に達し、4分の1の男性はわずか「5日未満」の休暇しかとっていないというのが現実です。

では、実際にどれほどの男性が育休取得を望んでいるのか見てみましょう。

若年層・ミドル層ともに9割近くの男性が「育休を取得したい」と回答

厚生労働省が2024年6月に実施した「若年層における育児休業等取得に対する意識調査」によると、全国18-25歳の男性うち、84.3%が「育休を取得したい」と回答しました。

また、エン・ジャパンがミドル世代(35歳以上)の男性を対象に2023年に実施した男性育休の調査によると、89%が「取得したい」と回答したそうです。

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以上から、若年層・ミドル層ともに育休取得を希望する男性が多いことが伺えます。では、男性が育休をとりやすくするために会社にできることは何でしょうか?

男性が育休をとりやすくするための対策方法おすすめ2つ

最後に、男性が育休をとりやすくするために企業ができる対策方法を2つ紹介します。

社内の育休制度の充実【給付額を月給の13%より多く!】

多くの男性が育休の取得を躊躇する理由として、育休中の収入減少への不安が挙げられます。日本の育児休業給付金制度では、育休開始から180日間は賃金月額の67%、181日目以降は50%が支給されます。ただし、この給付金は非課税であるため、実際には社会保険料や税金の負担が軽減される分、手取り額は比較的高めになります。

それでもなお、給付金だけでは育休前の賃金に比べて大幅に収入が減るため、生活費や住宅ローンなどの支払いが不安材料となることがあります。このため、企業が独自の育休制度で賃金月額の13%を超える支給を行うことは、社員が安心して育休を取得できる環境を整える上で非常に重要です。政府の育児休業給付金と企業からの支給額を合わせて賃金月額の80%をカバーできると、収入減少の影響を最小限に抑えることが可能になります。

逆に、企業からの支給額が13%以下の場合、給付金を合わせても67%程度にしかならないため、収入減少が家計に与える影響が大きくなる可能性があります。こうした状況では、社員が育休取得をためらう要因となるでしょう。賃金の80%をカバーできる仕組みを整備することで、育休中の経済的な心配を解消し、育児への参加を支援することが期待できます。

制度の理解度の向上【特に男性社員】

男性の育休取得率向上のためには「制度の理解度の向上」が非常に重要な鍵となっています。先ほど挙げた「産後パパ育休」の例ように、男女間で認識の差があると、「男性が育休を取得する」という雰囲気づくりに支障が出る可能性があるからです。

しかし、男性社員と女性社員の認知度の差を埋めることは容易ではないと考える人が多いかもしれません。そこでおすすめなのが、Floraの研修サービスの活用です。当社の研修は育休に限らず様々な健康課題に対応しています。さらに、男性社員向けの研修も充実しているため、会社の状況に応じて最適な研修形態を選び実施することができます。

まとめ

男性が育休をとりづらい直接的な理由としては、収入の減少や周りの環境が挙げらます。しかし、それらを深掘ってみると、制度の理解度の低さや男女間の認知度の差といった背景があるとわかりました。しかし、多くの男性が将来的に育休取得を希望していることは事実です。企業が現状に応じた適切な対策をとることで、男性の育休取得率はさらに大きく向上していくでしょう。


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