更年期の心と向き合おう！心の不調を乗り越えるには？

更年期は女性の心や体に大きな変化をもたらす時期です。特に精神的な症状は、生活に影響を与えることが多く、無気力や集中力の低下、憂うつ感などが挙げられます。これらの症状は、ホルモンバランスの乱れによるものと考えられており、生活の質を下げてしまうことがあります。この記事では、更年期に現れる精神的症状の原因と、それらに対する対処法について詳しく解説します！

更年期に現れる精神的症状

イライラ感や焦り

更年期には、感情のコントロールが難しくなることがあります。普段は気にしないような小さなことでイライラしたり、突然焦りを感じたりすることがあります。このイライラ感は、女性ホルモンの減少が原因であることが多いと言われています。女性ホルモンは脳内の「幸せホルモン」（セロトニン）の生成に関わっていて、女性ホルモンが減ると感情の不安定になりやすくなります。

憂うつ感や無気力感

更年期の女性は、物事に興味が持てなくなったり、楽しめなくなったりすることがあります。このような症状は、女性ホルモンの減少によって自律神経が乱れ、心理的にも不安定になることで起こります。更年期はストレスを強く受けやすい時期で、環境の変化や家族の状況が影響を及ぼすこともあります。

集中力の低下

更年期症状による集中力の低下も一般的な精神的症状のひとつです。仕事中や人との会話中に集中できなくなることがあります。これは女性ホルモンの減少によって自律神経が乱れ、脳の働きが低下することが原因です。

精神的症状の原因

更年期症状における精神的な不調は主に以下の原因によるものです。

女性ホルモンの減少

更年期に入ると、卵巣の機能が低下して女性ホルモンの分泌量が減少します。このホルモンの減少が脳に影響を与え、感情や思考、行動を調節する神経伝達物質のバランスが崩れ、気分が不安定になりやすいのです。

自律神経の乱れ

自律神経は身体のさまざまな機能を調整していて、そのバランスが崩れると精神的な不調を引き起こします。更年期には女性ホルモンの減少が原因で自律神経が乱れ、これがイライラや不安感、集中力の低下を引き起こすことになります。

社会的・心理的要因

更年期は、家庭や仕事、社会的な状況にも大きく影響される時期です。子どもの独立、親の介護、仕事の変化など、生活環境の変化がストレスとなります。このストレスは、更年期の精神的症状を悪化させる要因となることがあります。

精神的症状への対処法

精神的な症状に対する対処法は、主にホルモンバランスを整え、自律神経を安定させることが鍵となります。以下にいくつかの方法を紹介します。

食事によるホルモンバランスの調整

更年期の精神的症状を改善するためには、栄養バランスの取れた食事が重要です。特に女性ホルモンと似た働きをする「イソフラボン」を含む大豆製品を積極的に取り入れましょう。また、ビタミンB群やマグネシウムを含む食べ物も自律神経を整える効果があります。食事から摂る栄養素が心の安定に大きな影響を与えるため、バランスよく食べることが大切です。

質の良い睡眠

睡眠は自律神経を整え、ホルモンバランスを保つために非常に重要です。寝室を快適に保ち、寝る前にリラックスする時間を取るよう心掛けましょう。スマホやパソコンを寝る前に使わない、カフェインを避けるなど、睡眠の質を高める工夫が効果的です。

ヨガや軽い運動

ヨガや軽い運動は自律神経を整え、心身のバランスを保つのに役立ちます。特にヨガは、深呼吸とともに体を動かすことでリラックス効果を高め、ストレスを減少させることができます。定期的な運動は、精神的な不安定さを和らげます。

心理的サポートを求める

更年期の症状は精神的にも負担が大きいため、一人で悩まずに周りのサポートを求めることが大切です。家族や友人と気持ちを共有したり専門家に相談したりすることで、心理的なストレスが軽くなることがあります。カウンセリングを受けることもおすすめです。

まとめ

更年期に現れる精神的症状は、ホルモンバランスや自律神経の乱れによって引き起こされます。イライラ感、憂うつ感、無気力感、集中力の低下などの症状がよく現れますが、生活習慣の改善や食事、運動、睡眠環境を工夫することで症状を軽くすることができます。更年期を迎えた際には、無理をせず自分のペースで日々を過ごすことが大切です！症状が辛いと感じたときは、専門の医師に相談することをお勧めします。

［監修］産業看護師・更年期指導士　早川 里実 先生

様々な医療現場で看護師として従事し、早期からのヘルスケアの重要性を痛感。現在は、性差による健康課題に焦点を当て、セミナーを通して啓発活動を行っている。