自分の経血は正常?過小月経と過多月経について

2024年 7月 25日

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生理は毎月のように女性の身体に訪れる現象ですが、「経血の正しい状態を知っていますか?」と聞かれた場合、困ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事では、経血の正しい状態や過多月経、過少月経について解説しています。また、不安な場合の対処法もご紹介していますので、生理に関するお悩みや疑問がある方は参考にしてみてください。

経血って何?

経血は一言でいうと、子宮の内膜が剥がれ落ち、酵素の働きによって液状(血液)になり、体外へと排出された血のことを指します。

生理前までに妊娠しなかった場合、いったん子宮内膜を体外に排出するのですが、それにともなって出血が起こるのです。

経血の色や状態から考えられること

正常な月経の場合、経血の色が鮮やかな赤色、もしくは濃い赤色であれば、正常な生理が起こっている目安となります。ですが、経血の色や状態に次のような異常が見られる場合、なるべく早めに専門医に相談することが重要です。

・経血の色

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ピンク色

経血の色が薄くピンク色である場合、子宮頸管と呼ばれる管の内部や腟の粘液が経血に交じり、経血の色が薄くなっている可能性を疑います。

経血がピンク色になる原因としては、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量減少が考えられます。また、何らかの婦人科系疾患を発症している可能性もあります。

生理期間中に突然のように、ピンク色の経血が大量に排出されるような場合、流産の可能性も疑われるため、速やかにかかりつけの医師まで相談することが重要です。

オレンジ色

経血の色がややオレンジ色に近くなっている場合、細菌感染症や性感染症など、何らかの感染症を発症しているかもしれません。

経血がオレンジ色に近づくと同時に、経血の状態がネバネバしていたり、臭いを発したりすることもあるため、このような場合も速やかに医療機関を受診しましょう。

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灰色

経血が灰色がかっている場合、カンジダ膣炎を起こしている可能性が高いとされます。流産が疑われるケースもあるため、かかりつけの医師に相談しましょう。

・経血の状態

生理周期に異常が生じている場合や、何らかの婦人科系疾患を発症している場合、経血の状態に変化が見られるケースもあります。

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レバーのような塊

代表的な経血の状態の変化としては、経血がレバーのように固まって排出される例が挙げられます。そのような場合、月経量が多く子宮内膜症や子宮筋腫や子宮腺筋症といった婦人科系疾患を発症している可能性が疑われます。

水っぽい状態

経血の状態が水っぽくてサラサラしているような場合、閉経に向かっている可能性もあります。ただし、閉経後にサラサラしたおりものが見られる場合、卵巣に腫瘍が生じている可能性もあるため注意が必要です。

過多月経と過少月経について

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月経時に排出される経血の量は、個人差こそあるものの、平均するとおよそ50mlから120mlとされています。

1度の生理期間中に見られる経血の量が150mlを超える場合、過多月経が疑われます。過多月経の原因としては、子宮筋腫や子宮内膜症や子宮腺筋症といった婦人科系の疾患が挙げられます。

一方、一度の生理期間中に見られる経血の量が20ml以下の場合、過少月経が疑われます。過少月経であっても3日以上のしっかりした出血があれば心配ないことが多いです。ただし月経周期がバラバラの場合、月経不順の原因として、甲状腺や女性ホルモンの異常や無排卵周期症、子宮/卵巣の病気などの可能性があります。

不安な場合の対処法

生理期間中に見られる経血の量や色、状態は、いつも必ず一定であるとは限りません。月経の周期も、月によって変化が見られることも少なくありません。

ただ、月経の期間が10日間続くなど、あまりにも長い場合や、月経が3ヶ月以上も見られない場合は注意が必要です。

また、経血量があまりにも多い、もしくは少ない場合や、経血がかたまりで排出される場合、経血の色に明らかな変化が見られる場合などは速やかに産婦人科医まで相談することが重要です。

自己判断で放置した場合、何らかの婦人科系疾患が隠れていたり、症状が進行したりする可能性もあります。生理に関する不安があるときは、専門家に相談してみましょう。

監修者プロフィール

柴田綾子 (Shibata Ayako) 先生

淀川キリスト教病院 産婦人科専門医,周産期母体,胎児専門医

2011年群馬大学医学部を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。妊婦健診や婦人科外来診療をしながら女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動している。

著書:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、産婦人科ポケットガイド(金芳堂,2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社,2021)


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