PMSからくる腹痛、対処法を見てみよう!
2024年 7月 5日
生理前にお腹が痛くなるのは、PMS(月経前症候群)の症状かもしれません。
PMSの症状として腹痛が起こる
PMSの原因ははっきりとは分かっていませんが、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」が月経前の黄体期に急激に低下する事で、さまざまな症状が現れると言われています。
PMSは年齢を重ねるごとに症状が強くなる傾向があります。20代の頃には憂鬱になりやすい傾向がありますが、30代になると怒りやすくイライラすることが多くなり、頭痛・腰痛・腹痛などのカラダの症状も出てきます。ライフステージによって女性ホルモンから受ける影響は変動するため、PMSの症状も変化するといわれています。
生理前に腹痛が起こるのはなぜ?
月経が始まるとき子宮は収縮しますが、生理前になると、子宮収縮を促す「プロスタグランジン」というホルモンが分泌され、経血が出る前から子宮は収縮します。この子宮収縮が周囲の臓器へも影響を与えており、これが生理前の腹痛の原因となります。
ホルモンの影響の他に、以下のような原因も考えられます。
①子宮口が狭い
若い女性や出産経験のない女性に多い理由に、子宮口が狭く経血がスムーズに外に流れないため、痛みが生じてしまうことがあります。経血を外に流すために、子宮が過剰に収縮して経血を押し出そうとするため、痛みを感じてしまうのです。この場合は、生理の回数を重ねたり、出産を経験したりする事で子宮口が柔らかく広がりやすくなるため、月経痛が軽減される事もあります。
②血行不良
身体が冷えたり、同じ姿勢を長時間続けたり、ストレスを発散せずに溜めてしまう事で血行不良が生じます。血行不良になると、痛みに対して敏感になります。血流の低下が続くと、筋肉や皮膚など身体の組織へ酸素が十分に届かなくなったり、また新陳代謝が悪化したりして痛みを感じやすくなってしまいます。
③無理なダイエット
無理なダイエットをされている方も月経痛が酷くなる可能性があります。生理の際にはエネルギーを必要とするため、十分な栄養が摂れていないと身体が耐えられず腹痛が起こるのです。
その他の代表的なPMSの症状
PMSの症状はとても多様ですが、主に下の3つに分類され、代表的なものとして以下のような症状が挙げられます。
生理前の腹痛 おすすめの対処法
①ツボ押し
生理前の腹痛を緩和するおすすめのツボをご紹介します。ツボを押す時は、爪を立てずに指の腹で5秒ほど刺激していきましょう。
②生活習慣の改善
生理周期によって忙しなく変化するホルモンバランスですが、生活習慣が乱れるとホルモンバランスはさらに乱れていきます。
1)体を冷やさないことを意識してみましょう 下半身の冷えは、体の痛みや血の巡りを悪化させる大きな要因です。既に説明した通り、血行不良になると痛みに敏感になるためです。温かい飲み物を飲む、ゆっくり湯船に浸かる、腹巻きをする、薄着を避けるなど、日常生活の中で意識的に体を温めていきましょう。
2)バランスの良い食事を摂りましょう PMSの腹痛を改善していくためには、バランスの良い食事を摂ることが大切です。
- 「タンパク質」は女性ホルモンの元となります。摂取することでホルモンバランスを整えることに繋がります。特に、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があるため、ホルモンバランスを整える効果が期待されます。
- 「マグネシウム」は過剰な子宮収縮を抑える効果が期待できます。
③漢方
生理前の腹痛を根本から解決したい方には、漢方で体質改善を目指してみましょう。血行不良になると、痛みに敏感になりますよね。そのため、今回は血のめぐりをよくする漢方をご紹介します。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 比較的体力があり、顔がのぼせて足が冷える方におすすめです。血行不良を改善したり、血の滞りを取り除いたりする働きがあります。
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) 体力が中等度以上であり、のぼせて便秘しがちな方、イライラしやすい方におすすめです。血行不良を改善したり、血の滞りを取り除いたりする働きがあります。